第2回 初級 ヒント集 その15

工作機械の歴史《問題11 参考》

工作機械の起源は古代エジプトにさかのぼります。エジプトの壁画には、ドリルの柄に弓の弦を巻き付け、弓を前後に動かしてドリルを回転させる工作機械の一種である「弓錐(ゆみぎり)」が描かれています。これが、ボール盤の最古の例で、この弓駆動方式はのちに旋盤にも応用され、現在も世界中で使われています。

その後工作機械は、人力から水車や風車などの自然エネルギーを利用するようになりました。

近代的な工業生産財としての工作機械は、産業革命の推進力となった蒸気機関や紡績機械を製造する必要性から、1770年代に英国で発明されました。18世紀末以降、欧米各国で特色ある工作機械が次々と開発されるようになりました。

さて、日本における工作機械の歴史ですが、ペリー来航後、国防意識に目覚めた徳川幕府はオランダ人の意見を聞き入れ、洋式造船・造機技術を導入するため日本の技師や職人らに機械加工法を習得させます。1856年に幕府はオランダ蒸気船会社(NSBM)製工作機械を、長崎海軍傅習所の「轆轤(ろくろ)盤細工所」へ納入しました。これが日本で初めて複数台の工作機械を輸入した事例です。

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