第3回 初級 基礎資料 その3

世界の工作機械産業と生産《問題7 問題8 参考》

主要国の工作機械メーカーが生産している工作機械の傾向から見ると、高級機・中級機は主に、日本やドイツ、米国、スイス、イタリアなどが主に手掛けています。中級機から低級機は台湾、韓国、中国、インドなどが作っています。なお、一部の欧州や日本メーカーは、中国をはじめとするアジアでの生産機を中級と低級の上位に位置づけた、新興市場向けのエントリー(廉価版)製品も作っています。

世界の工作機械生産は米国Gardner Intelligence社が毎年集計発行する”World Machine Tool Survey”で知ることができます。日本では工作機械というと金属切削工作機械を指しますが、この報告書は切削型と成形型を合算して工作機械としてまとめた統計を公表しています。(表1)

表1:主要国・地域の金属工作機械(切削・成形型)生産額推移(48ヶ国・地域 2019年は見込み額) GARDNER INTELLEGENCE 資料より日工会作成

日本の工作機械(切削型)生産額は1982年から2008年まで27年間連続世界第1位でした。しかし、09年は08年後半からのリーマンショックによる景気減速の影響を大きく受け、中国、ドイツに続く第3位にとどまりました。その後、中国を中心とした新興国の旺盛な設備投資に支えられ、10年はドイツを抜き第2位に回復しました。以来、中国が1位、次いで生産額が拮抗する日本とドイツが2位と3位を占めています。

20年版の統計によれば、19年(見込み)は日本が3位と報告されています。(表1)

表2は2019年の世界の切削型・成形型を含む工作機械消費額シェアをまとめたものです。グラフからわかるよう工作機械の世界市場は8カ国で約7割が占められていることが分かります。

世界消費合計額:$82,059million

表2:2019年金属工作機械(切削・成形型)世界消費額シェア GARDNER INTELLEGENCE 資料より作成
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