工作物の穴あけや穴を堀り広げるための工作機械をボール盤といいます。ボール盤加工は旋盤加工とは逆で、工作物は固定され切削工具が回転して加工します。
工作物は上下に移動する図15の取付台(テ―ブル)の上に取付具(例:工作物を挟み込むバイス、工作物を上から押さえるクランプ具)でしっかり保持されます(図13)。また、主な切削工具である、ドリルは主軸先端に取りついているドリルチャックをチャックハンドルで開き挿入され締められます(図14)。そして、加工は主軸を回転させてドリルを下方向に動かし(送り)ます。
ボール盤では、ドリルで開けられた穴(下穴)にめねじ(ネジが入るらせん溝)を切る「タップ加工」や、ドリル穴を所定の穴寸法に広げながら、滑らかな面を作る「リーマ加工」もできます。
フライス盤は、「角物」といわれる四角形状の工作物を固定し、切削工具が回転して加工する機械です。工作物はひざ形立てフライス(図16)の場合、前後左右と上下左右に動くテーブルの上にボール盤同様、取付具(例:バイス、クランプ具)でしっかり保持されます。(図17)
加工は、円筒形の端面または円周上に多数の刃を持った、それぞれ正面フライス、エンドミルと呼ばれる切削工具を回転させ、テーブル上の工作物を必要な方向にテーブルを進め(送り)ることで、工作物表面、溝、あるいは複雑な輪郭などを切削します。(図16、図18)
フライス盤では切削工具を図19のようなツ―リングホルダーという工具取付具にセットして、主軸に挿入します。
図18
図16は最も汎用的なフライス盤である「ひざ形立てフライス盤」ですが、フライス盤には主軸が横向きの横形フライスもあります。